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60スター西洋占星術 日本語版 BY TOKYO-TANUKI💛 伴(ha-n)60スター西洋占星術 " 同志ラヴレンチイ " ② 第二章 雪のない国 報告書は、いくつもの国境を越えた。 封蝋は割られ、 また押され、 紙だけが旅を続けた。 上海。 ハノイ。 そして東京。 紙は人間より長生きをする。 人間は紙を運ぶだけだった。 一九四〇年二月。 東京には雪はなかった。 しかし、朝の空気は鋭く乾いていた。 ゾルゲは窓を開けた。 遠くで市電が鳴る。 新聞が届く。 珈琲は冷めていた。 その上へ、一枚の紙が置かれた。 送り主は書かれていない。 必要もなかった。 ゾルゲは紙を開いた。 そこには二つの式しかなかった。 1+((1+0)+(1+1))×((1+0)+(1+0))=7 そして、 1+((2)+(2))×((2)+(1.5))=15 その下。 15 = 5 + 5 + 5 彼は煙草に火をつけた。 一度だけ読んだ。 もう一度読んだ。 三度目には、数字を見ていなかった。 括弧だけを見ていた。 煙がゆっくりと立ち昇る。 ゾルゲは鉛筆を取った。 紙の余白へ書く。 > 1−2−2−2−1.5 そのまま見つめる。 やがて、「2」を一つだけ書き足した。 > 1−2−2−2−2−1.5 .................鉛筆が止まる。 彼は椅子にもたれた。 「そういうことか。」 誰に言うでもない。 窓の外では、小学生たちが登校していた。 笑い声が聞こえる。 その声は部屋までは届かない。 ノック。 若い部下が入ってきた。 「報告はいかがです。」 ゾルゲは紙を渡した。 部下は困った顔をした。 「7……。」 「15……。」 「何でしょう。」 ゾルゲは答えない。 しばらくしてから、小さく言った。 「同じような並びでも。」 部下は顔を上げた。 「はい。」 「......生まれ方が違う。」 部下は待った。 続きはなかった。 部屋に時計はない。 時間は煙草が燃える速さだけで流れていた。 ゾルゲは再び紙を見る。 7。 15。 5。 5。 5。 彼は突然立ち上がった。 部下が驚く。 「ドイツですか。」 ゾルゲは頷いた。 「ドイツだ。」 「なぜ分かるのです。」 ゾルゲは紙を畳む。 「7だからではない。」 「……。」 「15だからでもない。」 部下はますます分からな...